1975年の勝負作として投入された旅情演歌「千曲川」は、
もともと猪俣公章が春日はるみ(新人時代の川中美幸)の不振を打開するために用意した作品でした。
星野哲郎によってタイトル(「笛吹川夜曲」)も詞も既にでき上がっており、LPに収録されました。
しかし、かねてより五木の“NHK紅白歌合戦での初トリと2回目の日本レコード大賞獲り”を願っていた
山口洋子は、この三拍子のメロディーの美しさに惚れ、猪俣から略奪に近い形でこれを譲り受けます。
信濃川と名前を変え、とうとうと日本海に注ぐ“日本一の大河”千曲川を詠った明治の文豪、
島崎藤村の「千曲川旅情の歌」に感銘を受けた山口は、これを「千曲川」に改題し、
あえて現地には赴かずに東京に居ながら現地の情景を憧憬にも似た想いで詞を練ったといいます。
その際、演歌にありがちな愛や色恋や情の部分をなくします。
これらが功を奏し、最高位6位、登場週数42週、45万枚を超える売上げを記録!
五木の代表作のひとつとなるのです。

この曲で第4回東京音楽祭国内大会ゴールデン・カナリー賞を2年連続2回目の受賞し、
世界大会へ2年連続2回目の出場を果たします。
また、第4回FNS歌謡祭'75音楽大賞下期最優秀視聴者賞(4期連続4回目)、
第1回日本テレビ音楽祭グランプリ、第6回日本歌謡大賞放送音楽賞(5年連続5回目)、
第6回日本歌謡大賞放送音楽特別連盟賞(受賞理由:5年連続での放送音楽賞受賞に対して)、
第17回日本レコード大賞最優秀歌唱賞(2年連続2回目。通算・連続ともに歴代第1位)を
それぞれ受賞!
初めての白組トリを務めた第26回NHK紅白歌合戦でも歌われた曲です。