尊敬に値する人 その6
こんいちは。前回の続きです。
とある方も日向さんのために、毎晩のように当時の三木首相や通産省幹部と折衝を続けておられましたが、どうしてもうまくいきません。
そんなある日、あるホテルの玄関で、日向さんとその方がぼったり出くわしました。
とある方と私の尊敬する人もその場にいたのですが、その方は日向さんがいることに気付くと、いきなりこんなことをおっしゃったのです。
「日向さん、ご苦労だな。
あなた、ほんとうに大変でしょう。
僕は心から同情する。
何か僕にできることがあったら、何でもやらせてくれよ。
やらせてくれよ。
やらせてくれよ」何度も「やらせてくれよ」というその方の言葉を聞いた日向さんは、その場でポロポロと涙をこぼし始めました。
かなり神経的にも参っておられたのでしょうが、それにしてもふだん豪気なことで知られている日向さんが人前で涙を流すというのは、よほど感激したに違いありません。
「ありがとう、本当にありがとう。
君のその言葉は一生忘れないよ」そう言って、日向さんはその方の手を握りしめておられました。